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教育ニュース
児童生徒の自殺率が過去最高を更新するなか、とくに自殺が増えると言われる夏休みに備え、学校現場では早急な対応が必要です。文科省や自治体は多くのマニュアルを公開していますが、すべてに目を通すのは現実的ではありません。そこで本記事では、“映像なら短時間で要点をつかめる” という利点に着目し、教員向け・生徒向けに分け、公的機関が公開している信頼度の高い動画を厳選して紹介します。
関西外国語大・新井肇教授が講師。自殺の現状データを起点に、①リスク要因と早期兆候(睡眠・食欲・発言変化)②学校での「ゲートキーパー」役割③“見つける→聞く→専門へつなぐ”三段階を図解で整理します。後半には実例を使った〈教員‐養護教諭‐SC〉連携フローも提示。校内研修の導入教材に最適です。
前編を受け、ケーススタディ形式で危機介入の手順を深掘り。①保護者への初動連絡テンプレート②外部医療機関受診の判断基準③「事後対応(ポストベンション)」としてクラス集会・教職員ケアのポイントを示します。視聴後に自校マニュアルと照合し、役割分担を明確化する演習に活用できます。
東京都教育委員会が作成した教職員向け研修動画。冒頭で児童生徒の自殺統計と“学校でのゲートキーパーの重要性”を提示し、教員がまず「気付く」べき危険サイン(睡眠・食欲低下、独り言の増加、授業態度の急変など)を10項目のチェックリストで解説する。後半は担任と養護教諭が連携し、気付いた情報をスクールカウンセラーや外部機関へ迅速につなぐ具体的手順を事例ドラマで示す。視聴後に校内で自校版チェックカードを作成するワークが推奨される。
Ⅰ編の続編で、児童生徒が発したSOSを“受け止め支援へつなぐ”実践法に焦点を当てる。前半では〈遮らず聞く→感情を言葉に置き換える→安心を伝える→専門家紹介〉という傾聴の4ステップを寸劇で示し、保護者同席面談の進め方や危機レベル別フローチャートも提示。終盤は医療機関連携の電話例と「経過観察の継続」が重要である点を強調し、職員間の振り返りミーティング手順を紹介する。
NITSの校内研修シリーズ№140・後編(19 分)は、希死念慮を示した児童生徒への関わり方を〈評価→連携→事後フォロー〉の3段階で解説します。まず、スクリーニングシートを用いたリスク評価と緊急度判定の手順を示し、続いて医療機関・保護者・教育委員会との連携フローを図解。ケース動画では担任と養護教諭が保護者面談を行い、受診同意を得るプロセスを再現します。終盤は「自殺未遂後の復学支援」と「教職員のメンタルケア」を取り上げ、振り返りシートで校内体制を点検するよう促しています。
横浜市こころの健康相談センター制作の研修動画「ゲートキーパー養成研修 〜みんなでゲートキーパー宣言〜」(約16 分)は、教員や地域住民が“気づき・声かけ・つなぎ”のできるゲートキーパーになるための入門教材です。冒頭で市内自殺の現状と対策目標を示した後、①“いつもと違うサイン”を見抜くチェックポイント、②実際の声かけ例とNG対応、③相談窓口へ同行する流れ──を寸劇と図解で具体的に解説。視聴後にクラスや職員で「自分にできる一歩」を宣言するワークが推奨されており、校内研修やLHRにそのまま活用できます。
文科省が監修した 15 分の教材動画で、児童生徒が「困ったら早めに助けを求める」スキルを身につけるための“SOSの出し方教育”を実演形式で示していますYouTube。冒頭は数値データで自殺の現状を整理し、続くドラマ場面では ①いじめ ②家庭不和 ③学業プレッシャー という三つの危機場面を提示。ストレス兆候(不眠・食欲低下・無気力)を可視化したうえで、相談先として友人・教員・24時間子供SOSダイヤル0120-0-78310を具体的に紹介します文部科学省。授業では6:40の「兆候解説」と11:20の「相談窓口説明」で一時停止し、クラス討議や地域窓口の共有に発展させると効果的です。
学生生活で増えるストレス要因と自殺リスクを統計とグラフで示し、相談の必要性と予防意識の高め方を解説する講義編。データを基にリテラシーを養う。
ストレス反応セルフチェック表と深呼吸・運動などセルフケア法を紹介し、早期自己対応と相談行動の具体手順を示す講義編。実践ワーク付きでモニタリングを促進。
アニメで主人公の心の不調を追体験しながら危険サインをクイズ形式で学習。適切な声かけと専門機関相談をロールプレイで体験し、共感と自助・共助意識を高める。
家族・友人・恋人の変化を具体例で示し、「声かけ→専門家へつなぐ」三段階支援フローを図解。班活動で即実践でき、映像+字幕で視覚的理解も促進。
24h子供SOSダイヤルやLINE相談の使い方をスマホ実演。QRコードでその場登録可能にし、相談の流れと守秘義務を説明して利用ハードルを下げる実践動画。
https://youtu.be/JNlJKPZ0Y0I?si=d_TaGKnZfDorxkl4
栃木県制作の若年層向け自殺予防動画。部活・成績プレッシャーに悩む中学生のドラマを通し、ストレス兆候の見つけ方と24時間相談窓口の使い方を具体解説。途中に討議用停止ポイントも入り、学活や総合学習で即活用できる教材。
文科省作成の教材。SNS経由の性被害リスクをドラマと図解で示し、「断る」「逃げる」「相談する」の具体策と24時間相談先を中学生向けに解説。被害防止の三つの約束とゲートキーパー役割も示し、学活でそのまま上映可能。
【日本教科書編集部】