私たち日本教科書〈日科=ニッカ〉は、道徳に特化した教科書出版社です。子どもの学びを支える教科書、教材づくりを通して「より良く生きること」のための土台を築いてきました。
時代が目まぐるしく移り変わり、不確実性が増す今日の世界で、「どう生きるか」を問い続ける道徳教育の重要性は、かつてないほど高まっています。道徳はしばしば“正解のない科目”と言われます。だからこそ教科書は「正しいこと」を提示する本ではなく、どのような問いを設計し、どのように子どもの思考を揺さぶり、対話を促すか──そこに私たちの使命があると考えています。
その設計の芯に据えているのがウェルビーイングの視点です。「自分らしくいきいきと在ること」「他者と響き合い助け合うこと」「社会をより良い方向へ動かそうとすること」という三層のウェルビーイングがつながるとき、問いは生きた力に変わります。この力を育むため、言葉を養う物語、多角的な題材、そして考える余白を精緻に編み込み、教師と子どもがともに探究できる紙面を追求しています。
私たちは、どの学校でも使いやすく、かつ現場の工夫も生かせる教科書を目指し、現場の声に耳を澄ませながら改良を重ねてきました。教科書・副教材・デジタルなど形態を問わず、問いと対話をひらく最良の形を探り続けます。
「読まれる本」ではなく「考えを深め、未来を創る本」を。これまでも、これからも。日本教科書は道徳教材を通して、子どもと教師が共に問い、学び、成長する場を支え続けます。
日本教科書株式会社 代表取締役社長
篠宮 祐介