日本教科書 道徳教科書案内

教科書のコンセプト

出会い、
ふれあい、
みがきあう。

教科書の特長

 

・道徳的諸価値の理解を基に生み出される価値観の多様性の確立

・道徳性の育成に向かう「主体的・対話的で深い学び」の授業の実現

・道徳教育の系統性と体系化(カリキュラム・マネジメント)を支える

・生徒が読んでおもしろく、教員が教えやすい洗練された教材

発達段階に沿って展開

 小学校卒業直後から高校入学直前まで、心理的、肉体的成長は著しいものがあり、この中学校での3年間は、人間の成長課程のなかでもとても変化に富み、重要な時期と言えます。したがって、その時期に道徳的価値について考えるということは、その発達段階を考慮する必要があります。本教科書には、3年間を通して展開するストーリーを掲載しています。教材の登場人物と一緒に、生徒も学年が上がり、まるでクラスメートのように一緒に笑い、悩むことができる内容です。

いじめを絶対に許さない心

 いじめを許さない心の根底には、「生命を尊ぶ」態度が不可欠です。本教科書では、生命とは何か、その尊さを守るためにはどのように考えていくべきかなど、生命尊重への学びをより深めることができる教材を多数用意しました。特に生命は祖先から受け継いだものであり、未来の子孫へ受け渡していくものであって、決して今生きている者だけのものではないという「生命の連続性」の視点を重視しました。

現代的課題について考える

 現代の「いじめ」は現実世界だけに限りません。インターネットやSNSを通じての人間関係は、日に日に複雑になっています。これからの人生で決して欠くことのできないインターネット・コミュニケーションについても、しっかりと考え、話し合うことができる教材を準備しました。また、食育、環境倫理、生命倫理、情報倫理、主権者教育、法教育、キャリア教育、障害者や性的少数者の人権など現代的な課題について考える豊富な教材を準備しました。

「考え、議論する」

 「道徳的価値」を理解するためには、自己を見つめ、その価値と向き合うだけではなく、他の人と、自分の体験や考え方、感じ方を発表したり、話し合ったりすることが必要です。同じものを見たり聞いたりしても、考え方、感じ方の異なる人がいます。そうした友達どうしで、お互いの考えを聞いたり、自分の意見を言ったりすることで、自分のなかの「道徳的価値」をより一層深めることができます。本教科書は、文部科学省の学習指導要領が求める、子供たちが豊かに「考え、議論する」ことができるように、教材や問いに多くの工夫を凝らしています。

寛容な心を育む教材

 本教科書は、生徒一人ひとりが、相手の立場を尊重し、心から思いやる心を持つことを目指しています。そのためには、「道徳的価値」と真剣に向き合い、理解することが必要です。たとえば、「友情」と「社会正義」、「自由」と「公共の精神」など、場合によって私たちは、衝突する複数の道徳的価値からどれを優先するのかを決めなければなりません。そこで必要になるのが、それぞれの価値のしっかりとした理解です。表面的理解に留まらず、答えが一つではない道徳的課題を、一人ひとりの生徒が自分自身の問題としてとらえ、しっかりと考えることができる教材を用意しました。

現場の先生たちが教えやすい

 本教科書は、これを使う現場の教員の立場から執筆されました。長く道徳教育を実践してきた教員の立場から、自分ならこのような授業をしたいという思いで教材を選び、設問も考えました。教材の配列は、学習指導要領の示した道徳的諸価値の順序にしたがい、各学校の都合や授業計画に合わせてどこからでも授業ができるようにしました。また、現在準備中の教師用指導書では複数の指導案を提示し、充実した授業ができるようにしています。さらに本教科書に収録された教材を使った研究授業の様子を映像で提供できるように準備をしています。